Boutilimit


 

19世紀以来のイスラム教におけるモーリタニアの中心地というだけでなく、西アフリカの中心地でもある。モーリタニア内の各地の宗教的リーダーが講義を受けたり、宗教の本を買い求めにやって来る。

 ヌアクショット自体砂丘の上にできた町だが、一歩町の外に出ると道路沿いに砂丘が連なり、砂の色がピンクがかったり白っぽかったり、オレンジ色がかったり、また小さな砂山が連続したのや大きな砂山がポツンポツンと離れていたり、場所によってさまざまな砂丘がある。中でもブーティリミット近辺の砂丘は色、形ともに非常に美しい。
  と今まで書いてきていたが、近年緑化対策で、ヘリコプターで砂漠に潅木や草科の種を撒いている。それがようやく2007年ごろから効果が出てきて、かなり草木が増えた。一部だけわずかに美しい砂丘がみられるが、希望街道沿いはかなり草木が増えた。

 言い換えれば、ヌアクショットからわずか1時間あまりで美しい砂丘が見られたのが、今では草木だらけの砂丘になってしまって、砂丘を見に行く観光客にとってはお勧めできないことになってしまった。

 モーリタニアの最初の大統領、モクタール・ウルド・ダダの出身地。希望街道を作った時にブーティリミットを通るように道路を作った。ブーティリミットの町の中心地を希望街道が通っていて、昔の交通量が少ない時期にはよかったかもしれないが、今では狭いカーブの多い道路を、市民が買い物に歩いており、片や街道を行き来する大きなトラックや乗用車が通りぬける。危険きまわりない上に、排気ガスもすごい。

 ネマやアイウン・エル・アトルス、キッファなどの希望街道沿いの町ばかりでなく、カエディやセリバビのような人口の多い町、遠くはマリからやってくる人々の移動と物流の増加により、年々交通量は増えるばかりである。早急に、市外を通るバイパスなどの対策を講じないと、ブーティリミットの町の人々の健康にも問題がでてくることになるだろう。
 

見どころ :

シェイク・シディヤ図書館 
 19世紀にフランスとのコラボレーションにより設立されたモーリタニア最大の私立図書館。イスラム学者の書籍や、数学、論理学、天文学、医学などの書籍も数多く保管されている。

民芸品市場  (Atlier des artisanals
ブーティリミットはラクダの毛から作った絨毯や、黒檀のアクセサリー、透かし彫りの銀細工など民芸品で有名。

砦 (Fort coloniale)

 フランスの植民地時代に希望街道に沿って奥地へ出かける最初の拠点となった砦。地図の上ではヌアクショットからすぐ近くでも、かつて道路のない時代は砂丘の深いたいへんな道程だったと思われる。


テナディのオアシス・リゾートセンター (TENADI)
п@525 28 66 Fax 525 28 22 Web: www.tenade.com  e-mail : ctt@tenade.com
 
ホテルはバス・トイレ、TVつきの部屋が14室、一部屋12,000ウギア。スイートルーム20,000ウギア。朝食1,000ウギア、食事は一人4,000ウギア〜。バンガロー16棟(32部屋):ツインルーム1部屋10,000ウギア、テント8,000ウギア、朝食1,000ウギア、食事は要予約。

 テナディはヌアクショットから希望街道90kmあまりのところにあるオアシスで、ラルザ県で唯一、ナツメヤシを産出する。このテナディのオアシスを中心に、砂丘の上にホテル、バンガロー、レストランを有するツーリスト施設が2003年12月にオープンした施設である。首都からわずか1時間あまりのところで、砂丘の生活を味わうことができ、快適な施設。バンガローも各部屋シャワーが完備し、広々としてヨーロッパのリゾートホテルのようだ。

 テナディ村ではブラジル人の指導で、砂丘でも青々とした葉をつけていられるアカシア科の木を数万本植林した。畑には約300本のなつめやし、マンゴ、レモン、みかん、グレープフルーツなどが作られ、ヌアクショットに出荷しているという。
 従業員に頼めば、畑を案内してくれる。2006年に国連環境賞 (UNEP笹川賞)を獲得した、砂漠化対策が評価されたところ。

 宿泊所は街道の目立たない看板のところをオフロードに入って約4kmのところ。この看板さえわかればオフロードには500m毎に看板が立ててあるので、入り口まですみやかにいける。ホテルからテナディのオアシスまで80km、トレッキング、らくだ、4×4車のツアーを準備してもらうことができる。ただし、トレッキングの説明を聞いたら、一日砂漠を40km歩くというから、そうとう体力に自信がないと、ついていくのは難しそう。

道路沿いに立っている、テナディホテルの入り口。見落とすかと思うくらい目立たない。オフロードに入るとあと2km、あと1500m・・・と書かれた看板が懇切丁寧に立ててある。 テナティのバンガロー。ツインベッドに蚊帳がかけてあり、清潔に手入れされている。 ヌクアショットからマリ国境のネマまではるかに続く希望街道。風に砂が舞う。

かつては美しい砂丘だったが、毎年繰り返し種を撒いて緑化を進めてきた効果が現れ、サバンナのようになりつつある。 ブーティリミットは街道から丘に向かって人家が広がる。 町の中心,それも市場の中を希望街道が走る。買い物客や町行く人の多い中、大きなトラックなども多く、危険な上に排気ガスが充満している。

ブーティリミットの宿と食事

Complex Boutimilit(コンプレックス・ブーティミリット)
 ベッドのある欧風スタイルのホテル。レストランでは現地スタイルの肉料理やパスタ料理などを出してくれる。
蚊の少ない時期なら快適だが、街道沿いなので、自動車の騒音が少々気になる。

 他に民宿、小さなレストランが数軒。

ブーティリミットへのアクセス
ヌアクショットから希望街道で約200km、舗装道路で車で約2時間弱。